日本音楽療法学会
第11号 日本音楽療法学会ニュース
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日野原理事長の文化勲章受章によせて
日野原先生が、昨年11月に文化勲章を受章されたことは皆様よくご存知のことと思います。学会員としては誇らしくもあり、嬉しくもあり、心からお祝いの言葉を贈りたいと思います。
さて、日野原先生は、本学会結成以来、実質的リーダーとしてご活躍戴いておりますが、数少ない明治生れの方の中でも、何等支障なく理事長役をこなしておられる姿を常々拝見していて、75歳の私も未だ未だ青年のような気がしてくるわけです。色々な困難があっても、きっちりとリーダーとしての役を果たしておられる姿を見ると、私等は只々頭の下る思いで、助けなければならない立場に居ながら、逆に助けられているような気さえしてきます。
私が実際に先生のお話を直接伺ったりしたのは20年程前ですが、その時に大変感動したことを憶えています。それは、先生が長い間医療の主人公は医師や医療職ではなく、患者本人なのだという主張をされていることを知ったからです。私は実は、精神医療の中で、患者様を中心にした医療をしなければという思いを持ち、医療の改善を目指して臨床実践や社会的運動を進めて来ていたので、先生の主張に大変勇気づけられたことを思い起します。その後、音楽療法実践者の大同団結が是非必要だという多くのこの道の先達の思いが持ち上り、やがて、御存知のように、全日本音楽療法連盟が結成されるようになった頃から、かなり頻繁に先生にお会いし話をする機会が増えたわけです。
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日本音楽療法学会副理事長
松井紀和
この間、学会活動とは別に、色々な御著書を出版され、それがベストセラーになり、色々な所に引張り出される機会が増え、益々多忙な毎日になられました。
昨今、日野原先生というと、94歳で現役の先生ですねと返ってくることが多く、また、著作を読まれてファンになったと仰有る方に時々お会いします。また一度お越し戴きたい、そしてお話を伺いたいものだと仰有る方にもお目にかかります。つまり、先生は、一般の方々によく知られるいわゆる有名人になってしまわれたわけです。これは決して先生が望まれたわけではないと推察していますが、私は、世の中が先生を必要とするようになって来たのだと思っています。たとえば、終末医療を通して生きることの意味を問い直すとか、医療の主人公は誰なのかとか、健康な老後とはどんな生き方なのか等々、医療や福祉に対する人々の考え方がやっと先生に近づいて来たのであろうと考えています。
また、先生は多くの共同者を大事にして支援もしておられます。医療が医師だけでできるわけがないし、福祉が単一の職種でできるわけがありません。看護を始め、色々な職種の人が協力しあってはじめて好ましい援助が可能になるという考え方に立って、多職種の育成に尽力されています。本学会の理事長を勤めて戴いているのも、恐らくそうした考え方に立ってのことであろうと思います。
私達学会員も色々な考え方の人が集ってますが、こうした基礎的な所は同じ土俵に立っていると言って良いと思います。
障害のあるなしに拘らず、その人がその人らしく生きていることを健康と私は考えていますが、そのために音楽を媒介として支援していこうというのが音楽療法であり、そのために必要な知識や技術を身につけた者が、音楽療法士であります。
学会が、より質の高い音楽療法を目指し、それに携る人を養成しなければならないわけですが、それには、未だ未だ、多くの時間と労力が必要になるでしょう。
日野原先生が益々お元気で、私達をお導き戴き、音楽療法の普及、啓蒙と質的向上に向けて尽力下さることを祈念し、受章のお祝いの言葉にかえたいと思います。
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2005年12月27日
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文化勲章
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