日本音楽療法学会
第16号 日本音楽療法学会ニュース
第16号INDEXへ戻る
第8回学術大会を終えて
会員の皆様、お元気ですか。

神奈川県川崎市の昭和音楽大学で8月29日(金) から31日(日) にかけて開催されました第8回日本音楽療法学会学術大会は、3日間の大会日程を無事終了し、盛会裏に幕を閉じることができました。これも一重に全国の会員の皆様のご協 力によるものと、心から感謝しお礼を申し上げます。

本大会の開催に際しましては、会場のキャパシティの関係で、1,800という人数を守らなければならず、参加を希望される方全員のご希望に添うことが出来ませんでした。多くの会員の皆様にご不快な思いをおかけさせ致しましたことを、この紙面をお借りし、心からお詫びを申し上げます。

写真

大会長 村井靖児
(副理事長)

さて本大会は、倉敷、名古屋、仙台、札幌と回ってまいりました全国大会が、5年振りで関東にやって来るということで、関東支部役員が総出で準備に取り組みました。日程、大会テーマ、プログラム、講師陣、機材の手配、部屋の割り振り、動線の確保など、皆様に不便がかからないよう最大努力をいたしました。

大会の進行について述べますと、大会初日の講習会は、その前夜、生憎付近を通過した台風の影響で、雨が少し残るスタートとなりましたが、東京都心から交通至便を誇る新築された昭和音大キャンパスには、早くから会員の方がお集まりになり、定刻10時から、6領域、各1時間半4講の長い講習会がスタートしました。受講したい講義は、領域通しでとってもよく、また24コマの中から自由に選択してもよい時間割にしたことが、専門領域を詳しく勉強したい方にとっても、聞きたい先生の講義を聞き歩きたい方にとっても自由度のあるプログラムではなかったかと思います。資料が大変整っておりましたので、お役に立てたと考えます。

第2日目は、昭和音大OBの有志による眠気を吹き飛ばすブラス演奏で幕が開き、日野原理事長の挨拶のあと、イースタンミシガン大学のロベルタ・ワイグル・ジャスティス女史による、「音楽療法士であること」という基調講演が行われました。30年間に及ぶ音楽療法士としての、また教育者としての経験をもとにした内容の濃いお話は、先進国のよき先達の話として、アメリカの音楽療法を過去から現在まで総めくりしたもので、会員に好評を博しました。

午後からは、研究発表と同時に5つの自主シンポジウムと6つの分科会が平行して行われました。シンポジウムと分科会は本大会の目玉の一つとして取り上げたもので、音楽療法の当面するさまざまな問題を深く考えたい人、ベテランのセッションをビデオで見たい人、ワークショップ参加を希望する人など、様々な会員の期待をこの学会での時間で満足して頂こうとした苦心の作であり、廊下まではみ出るほど盛況な会場も幾つかあり、ご期待に添うことができたと喜んでおります。

夜は、音大側から理事長、学長など大学幹部の先生方にご参加いただき、約400名の会員が参加した和やかな交流会でした。昼間のワークショップでアフリカの太鼓を実演してくれたB.B.モフラン氏の仲間たちがゲストとして来場し、後半は別室に移って、アフリカ音楽のリズムとパワーを堪能する会になりました。

最終3日目は、大会長講演に始まり、その後は研究発表 (2日間で口頭発表88題、ポスター発表55題) と、同時開催 された「音楽療法のパイオニアの臨床を見る」セッションが 松井紀和氏司会で行われ、総会を挟んだ午後からは、一方で 研究発表、もう一方で川田順造氏による「『音文化』という 考え方をめぐって」の教育講演がありました。そしてこのセッ ションを最後に、全日程を終了しました。

本大会の全体を振り返りますと、第1に、基調講演、大会長講演、教育講演など、今回の大会テーマ「音楽療法の学と術〜専門職への道のり〜」関連の各講師の話しを総合しますと、世界の音楽療法は、この10数年の間に大きな様変わりをしており、そのことは、日本においても、音楽療法の技法や構造の面で大きな変革となって早晩現われてくるという予感を強くもちました。

第2は、第1との関連で、今回の研究発表の中にも、疾患を中心にした音楽療法の方法を開拓しようとする新しい研究の方向が見え始めていることで、我が国でも急速に音楽療法の世界が拡大・多様化し始めていることが実感されました。つまり、既存の心理療法の理論を何でも借りてくればよいというこれまでの態度から、音楽療法独自の手法を確立しようという意気込みが少しずつ見え始めていることでした。

第3は、別の側面として、特別企画「音楽療法のパイオニアの臨床を観る」に、多くの会員が集まり、参加者が、しばし、その当時を「懐かしみ」、「安らぎ」、「再出発」への気持ちを波のように高まらせ、その気持ちが会場全体に広がっていることを感覚したことです。一つの節目が確かに来ていることを実感しました。

そして第4に、今回の大会では、会場のどこに行っても、会員の皆さんの楽しそうな笑い、生き生きとした満足そうな表情が満ちていたことです。日本の音楽療法も、全国組織になって20年がたち、やっと成人になったのだと感慨を強くしました。

今この報告を書きつつ、この大会は参加した会員皆の気持ちに支えられたと考えています。準備に明け暮れた関東支部の役員の方々、手伝いくださったボランティアの皆さん、参加してくれた会員の皆様、そして下八川理事長、五十嵐学長を始めとする昭和音楽大学の職員の皆様、有難うございました。

来年の大会は、四国松山です。また松山でお会いしましょう。
写真  
▲このページのトップへ
  1/7
個人情報保護方針 (C) Copyright 2004 by Japanese Music Therapy Association. All rights reserved.
当サイトは日本音楽療法学会の公式サイトです。
学術大会、講習会など、日本音楽療法学会公認の情報をご提供しています。
当サイトは、日本音楽療法学会が、公認する情報をご提供するサイトです。
言い換えればこのサイト以外のいかなるサイトで、類似した情報が掲載されたとしても、日本音楽療法学会とは無関係です。
また、このサイトに掲載している記事および画像を無断転載することを禁じます。