日本音楽療法学会
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第13回世界音楽療法大会印象記
常任理事 二俣泉

第13回世界音楽療法会議に参加いたしましたので、以下にその報告をいたします。

3年に1度開催される世界音楽療法会議の第13回大会が、2011年7月5日から9日まで、韓国ソウルの淑明女子大学で開催され、世界各国から約1300名を超える人が参加しました。日本からは、日本音楽療法学会企画のツアーに参加した30名を含め(私もその中の1人でした)、約130名が参加しました。

口頭発表124題、ポスター発表48題、ワークショップ32題、その他様々の発表や討議が行われました。多くの日本人音楽療法士の発表が採択され、その中には20代の若手日本人音楽療法士も発表をおこなっていて、大変頼もしいことであると感じました。

全体企画としては、毎朝2時間のスポットライト・セッション(毎回4名の講師による連続講演) が行なわれました。連続講演のテーマは、第1回は音楽療法と医療、第2回は音楽療法と特殊教育、第3回は音楽療法と高齢者、第4回は音楽療法と研究について、でした。講演者は、エビデンス・ベースの実践者と美的経験を重視する実践者、量的立場にたつ研究者と質的な立場にたつ研究者など、多様なスタンスの講演者が選ばれており、音楽療法に多様な立場が併存していることが実践と研究を豊かにしていることを再確認する機会となりました。

2日目の夕方には、野外での音楽演奏つきのパーティが催されました。韓国料理を食べながら、韓国の迫力ある伝統音楽(踊りながら打楽器を演奏するサムルノリや、太鼓の演奏など) が披露され、アジアの音楽文化の豊かさを堪能する機会となりました。

私が聞いた研究発表のひとつでは、英国の音楽療法士がインドネシアのガムラン音楽を活用した音楽療法の実践に取り組んだことを報告し、ガムランがいかに音楽療法実践に有用であるかが熱く語られていました。「『英国人による』アジアの資源を活用した音楽療法」についての発表を聴き、日本を含めアジアの音楽療法士たちが、アジア固有のユニークな源をまだ十分に活用できていないことを改めて認識しました。自らの文化的資源を音楽療法実践に活用する術を考えていくことは、アジアの音楽療法士に課せられているひとつの「宿題」なのではないか、と思いました。

今回の会議の会期中、米国のジーン・アン・ベーレンス博士が、世界音楽療法連盟の災害対策委員に就任されたことが発表されました。そこで、加藤美知子先生(本学会常任理事・災害対策特別委員) が早速ベーレンス博士に交渉してくださり、9日の朝、ベーレンス博士と本学会災害対策特別委員会メンバー(加藤美知子先生、鈴木暁子先生、門間陽子先生、吉村奈保子先生、二俣) とが集まり、東日本大震災被災者に対する音楽療法による支援に関するミーティングが実現しました。災害被災者支援に広範な経験と知識をお持ちのベーレンス博士から、今後の支援のための様々なアイデアをご提案いただけました。

5日間を通じて、すみずみまできめ細かい「もてなしの心」の行き届いた国際会議で、とても気持ちよく、かつ有意義な学びの時となりました。


ワークショップ

オープニングセレモニー
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